【NISA】米国株を買うならETF? 投資信託?
2024年から始まった新しいNISA(小額投資非課税制度)では、非課税保有限度額が1800万円と大きな金額となりました。
そしてNISAを使った投資先として選ばれているのが、米国株インデックスファンドです。米国株は近年のパフォーマンスが非常に良く、幅広い世代の人気を集めています。
米国株インデックスファンドといっても、その投資方法にはETFや投資信託などがあります。
今回は、NISA口座で運用するには、ETFと投資信託のどちらが良いのかを検証しました。
ETFと投資信託
今回の記事では、新しいNISAで米国株を買うのであれば、ETFと投資信託とどちらが有利かを検証します。
今回は、つみたて枠対象の米国ETFの「IVV」と、5兆円を超える残高を誇る投資信託「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」を用いて検証します。それぞれの保有コストと分配状況は下記のとおりです。
<ETF> IVV | <投資信託> eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | |
---|---|---|
運用会社 | ブラックロック | 三菱UFJアセットマネジメント |
保有コスト (信託報酬) | 0.03%※1 (0.03%) | 0.104%※3 (0.093%) |
分配利回り(年率) | 1.31%※2 | 0% |
分配頻度 | 年4回 | ― |
※1 出典:2024年3月時点ファクトシート(https://www.blackrock.com/jp/individual/ja/products/239726/ishares-core-sp-500-etf)
※2 出典:ブラックロック社HP(https://www.blackrock.com/jp/individual/ja/products/239726/ishares-core-sp-500-etf)2024年7月18日確認時点
※3 出典:第6期運用報告書(https://emaxis.am.mufg.jp/fund/253266.html)
課税口座の場合
NISA(小額投資非課税制度)口座での検証を見てみる前に、まずは課税口座での検証を見てみましょう。
なお、コスト控除前の収益率(年率)は5%、税率は簡便的に20%としています。
また、ETFの売買や為替のコストについては、証券会社ごとに異なるため、今回の検証では無視しています。
結果は以下の通りです。なお、青線がETF、赤線が投資信託です。
検証結果を見ると、コストの低いETF(IVV)の方がパフォーマンスが良いという結果になっています。
ただし、上記の検証では分配金に関して、権利落ち日(分配金が受け取る権利が確定する日)に再投資する仮定で計算しています。実際には、分配金を受け取った日以降に再投資するものとなるため、その点留意が必要です。
NISA口座の場合
次にNISA口座での検証を見てみましょう。
課税口座との最大の違いは、値上がり益や分配金にかかる税金が非課税であるという点です。
しかし、NISA口座には注意する点があります。それは、非課税の限度額の計算は、投資元本(簿価)で行われるという点です。
そのため、NISA口座が限度額に達したのちに分配金を受領した場合、その分配金はNISA口座ではなく、課税口座で運用する必要があります。
そこで今回の検証では、受け取った分配金は課税口座で運用するものとしています。結果は以下の通りです。なお、青線がETF、赤線が投資信託です。
検証結果を見ると、15年目以降は分配金の出ない投資信託(eMAXIS Slim 米国株式(S&P500))の方がパフォーマンスが良いという結果になっています。
ETFはコストが低いものの分配金があるため、分配金にかかる税金がパフォーマンスを押し下げる要因となっています。
長期投資を前提にNISA口座で運用をするのであれば、投資信託で運用する方が良いかもしれません。
まとめ
今回はNISA口座で米国株を買うならETFと 投資信託のどちらが有利かを検証しました。
この記事が皆さんの参考になれば嬉しいです。